【がぁらないとシネマ】の住人、アルゼットの日記。
もうあの蒸留所へ足を運ぶのも、何度目になっただろうか。
その日も、静謐なあの建物の空気に触れるだけで帰ることになる、はずだった。
ジャガーからの依頼でドワーフの谷の火酒を探すこと3か月。
谷にある蒸留所を見つけたはいいものの、何度尋ねても、全く誰とも出会わない。
手入れも行き届いており、廃工場という佇まいではなかったが、ジャガーを随分待たせてしまっていることもあり、いい加減別の場所を当たろうと決めた。
最後に、綺麗な色をしていたポットスチルを眺めて帰ろう…。
そう思った時、入り口の扉が開いた。
現れたのは、フェルゼンというドワーフだった。
火酒を探していることを告げると、フェルゼンは一杯の火酒を御馳走してくれた。
探し求めていた、ドワーフの火酒。
綺麗な琥珀色をしたそれは、しっかりとした飲みごたえを持ちながらも、繊細で深みのある、素晴らしい味だった。
本来であれば、谷を出ることはないその酒を、フェルゼンは快く譲ってくれた。
フェルゼンは穏やかで、短い時間の語らいであっても俺を見通していたような、不思議なドワーフだった。
街を訪ねてきてくれた時には、今度は俺が故郷の酒を振る舞う約束をした。
口に合うと、嬉しいのだけれど。
ジャガーには、胸を張って納めることのできる酒が手に入った。
感想を聞くのが楽しみだ。
その日も、静謐なあの建物の空気に触れるだけで帰ることになる、はずだった。
ジャガーからの依頼でドワーフの谷の火酒を探すこと3か月。
谷にある蒸留所を見つけたはいいものの、何度尋ねても、全く誰とも出会わない。
手入れも行き届いており、廃工場という佇まいではなかったが、ジャガーを随分待たせてしまっていることもあり、いい加減別の場所を当たろうと決めた。
最後に、綺麗な色をしていたポットスチルを眺めて帰ろう…。
そう思った時、入り口の扉が開いた。
現れたのは、フェルゼンというドワーフだった。
火酒を探していることを告げると、フェルゼンは一杯の火酒を御馳走してくれた。
探し求めていた、ドワーフの火酒。
綺麗な琥珀色をしたそれは、しっかりとした飲みごたえを持ちながらも、繊細で深みのある、素晴らしい味だった。
本来であれば、谷を出ることはないその酒を、フェルゼンは快く譲ってくれた。
フェルゼンは穏やかで、短い時間の語らいであっても俺を見通していたような、不思議なドワーフだった。
街を訪ねてきてくれた時には、今度は俺が故郷の酒を振る舞う約束をした。
口に合うと、嬉しいのだけれど。
ジャガーには、胸を張って納めることのできる酒が手に入った。
感想を聞くのが楽しみだ。
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